経営力評価モデル(読み)けいえいりょくひょうかもでる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「経営力評価モデル」の意味・わかりやすい解説

経営力評価モデル
けいえいりょくひょうかもでる

経営力指標の基礎として用いられている経営力を計量的に評価するモデル。通商産業省(現経済産業省)が1974年(昭和49)に開発し発表した。従来の経営力を計量的に評価するモデルの代表的なものは経営分析であったが、それは財務会計的指標に偏り、しかも過去のデータの分析が中心であった。経営力評価モデルは、このような欠陥を克服するため、経営者(トップ・マネジメント)、組織戦略、製品戦略、経営基盤の四つの定性要因が、企業の成長性、収益性、従業員モラール(勤労意欲)、地域社会のコンセンサス合意支持)、消費者・ユーザーの満足にどのように貢献するかを測定する。定性要因の定量化と、現状分析から将来動向を予測するところに、経営分析と経営力評価モデルの基本的な相違と、前者から後者への進歩がある。しかし、定性要因の定量化については、かなり試行的な手法が含まれており、なお問題は多い。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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