経常移転(読み)けいじょういてん(英語表記)current transfer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経常移転」の意味・わかりやすい解説

経常移転
けいじょういてん
current transfer

各取引主体間の移転であり,支払者の所得から行われ,受取者の所得となる移転をいう。生産の結果発生した要素所得はさまざまな移転形態を通じて各制度部門に分配される。新国民経済計算体系 (新 SNA) における移転には,財産所得損害保険,手数料,罰金贈与などがある。各部門について受取要素所得にこれら移転の受払いを加減したものが可処分所得であり,これが消費貯蓄に分れる。

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世界大百科事典(旧版)内の経常移転の言及

【経常移転・資本移転】より

…ある経済主体から他の経済主体へ購買力が移動することのうち,(1)財・サービスおよび被雇用の労働の代価として購買力が移動する場合,および(2)金融請求権の移動の反対給付として購買力が移動する場合を除いた場合を移転という。移転は,関連する購買力の移動が経常勘定(生産勘定と処分勘定)にかかわるか,それとも蓄積勘定にかかわるかによって,それぞれ経常移転および資本移転という。換言すれば,蓄積活動を調達する資金源泉となることが予定される移転,もしくは所得ではなく富を原資とする移転が資本移転である。…

※「経常移転」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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