結城寺跡(読み)ゆうきじあと

日本歴史地名大系 「結城寺跡」の解説

結城寺跡
ゆうきじあと

[現在地名]結城市上山川

東持とうじ寺西北が寺域と推定され、一帯には結城寺北・結城寺前・寺山てらやま大門先だいもんさき古屋敷ふるやしきなどの小字名が残り、古くから多量の古瓦・磚・土器片などが出土。延享二年(一七四五)一〇月の寺百姓等口上書上案(山中倉松文書)は「寺跡境内東西弐百廿間程、南北弐百廿五間程、其殿堂伽藍鬼瓦布目瓦破損シ、畑廻リ塚築置、結城寺跡ニ明鏡紛無御座候」と伝えている。

下総国結城郡山川郷清浄蓮華山来由(結城寺文書)によれば、「吏老」と称される在地の有力者が鬼怒きぬ川の水害から免れようと下野薬師寺の創建者と伝えられる祚蓮を招いて鬼怒川堤防上に壇を設け、薬師如来を安置し、悪竜に戒を授け、一寺を建立して大金剛宝だいこんごうほう寺と称したのが始まりであるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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