朝日日本歴史人物事典 「平良兼」の解説
平良兼
生年:生年不詳
平安中期の東国の武将。父は賜姓平氏一世の高望。上総国(千葉県)に蟠踞して常陸国(茨城県)の国香や下総北部(茨城県)の将門,良正ら一族と対立した。承平5(935)年から7年にかけて,女性問題や弟良持の遺領をめぐり兄国香と組んで甥の将門と戦った(平将門の乱)。ここで承平5年国香が将門に討たれると,将門との戦いの中心的な存在となり,国香の遺児貞盛,弟の良正らと共に戦ったが,病を得,出家して間もなく死んだ。同族との戦いに明け暮れた一生だったが,常々道心を持ち仏法を崇め,合戦を好まなかったという。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報