結婚の秘跡(読み)けっこんのひせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「結婚の秘跡」の意味・わかりやすい解説

結婚の秘跡
けっこんのひせき

カトリック教会が伝統的に認める7つの秘跡 (サクラメント ) の一つで,神が人類の救いと聖化のために定めた制度とみなされる。男女両当事者の完全に自由な合意によって成り立つ終生にわたる結びつきであり,きびしい一夫一婦制と貞節誓い,不可解消性 (離婚の禁止) を特徴とする。その目的の第1として,伝統的に子供を産み養育することが強調されてきたが,最近では性的結合を含む夫婦の結びつきと相互扶助を通じて人格的な愛の共同体をつくり,このなかで真の人間的成熟に至ることが秘跡としての結婚における神の恵みの重要な目的であるとされるようになった。通常,主任司祭による司式を必要とし,司祭は教会法の定める障害のないことを確認したのち,式にあたっては2人の証人の前で結婚当事者の結婚の意志をただして結婚の成立を告げる。カトリック教会はキリスト信徒間の結婚のみを秘跡とするが,結婚の本質的目的は,当事者の信仰の有無や宗教相違にかかわりなく同一であるとする。

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