化学辞典 第2版 「絶対配置」の解説
絶対配置
ゼッタイハイチ
absolute configuration
原子の立体配置の一種.たとえば光学活性を示す不斉炭素に結合する配位子の配置の異なる仕方をいう.互いに鏡像関係にある鏡像異性体を分割することは可能であったが,異性体の立体化学的な絶対配位を解明することは,X線結晶学が発展するまでは不可能であった.図(a)にD-(+)-酒石酸(光を時計まわりに回転させる)と,図(b)にL-(-)-酒石酸(光を反時計まわりに回転させる)の異性体を示す.通常のX線法では,これらの異性体の強度図形はほとんど同じであるので区別することは困難であった.最近の高感度のX線回折計を用いると,両方の異性体の重畳波は散乱強度と位相が異なることを明確に示すので,両者を見分けることが可能になった.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報