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立体配置 りったいはいちconfiguration

翻訳|configuration

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

立体配置
りったいはいち
configuration

構造式とは異なり,有機化合物の原子配列を立体的に表わした表示法をいう。 たとえばメタンは図(左)のように炭素原子を中心とする正四面体構造で表わされる。原子価角HCHは計算値では109°28′となり,多くの有機化合物で実測値もこれに近い。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版の解説

りったいはいち【立体配置 steric configuration】

狭い意味では不斉炭素原子(または炭素以外の不斉原子)に結合した4個の互いに異なる原子または原子団の配列のしかたをいう。不斉炭素原子1個をもつ化合物(たとえば乳酸)には2種の異なる立体配置があり,異なる立体配置をもつ化合物は互いに立体異性の関係にある(図1)。これらは互いに対掌体,またはエナンチオ異性体(エナンチオマー)であるといわれる。一般に不斉炭素原子n個をもつ化合物には最大2n個の立体異性体が存在しうる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

立体配置
りったいはいち
configuration

分子の中にある不斉(ふせい)原子に結合している原子または原子団の空間的配列をいう。簡単な例をあげて説明すると、不斉原子とは、四つの異なる置換基をもつ炭素原子のように対称面も対称中心ももたない無対称な原子である。不斉原子が1個あると一対の光学対掌体(エナンチオ異性体)に相当する2種の立体配置があるので、不斉原子がn個あると立体配置の数は最大2n個になる。しかし、不斉原子に結合している原子または原子団が同じである場合には、2n個より少ない立体配置しかもたない。立体配置のそれぞれに対応する光学異性体が存在するので、立体配置の数と光学異性体(メソ体を含む)の数は等しくなる。図Aに不斉炭素原子2個をもつ酒石酸の立体配置を示す。立体配置を表示するには、炭素の原子価の「正四面体説」に基づいたフィッシャー投影式が用いられている。立体配置では炭素‐炭素単結合(C-C)の周りの回転は自由であるとみなし、立体配座の違いはいっさい区別せず、単結合の周りの回転では一致させることができない不斉原子上の原子(団)の配列の違いだけを区別している(図B)。
 光学対掌体の立体配置の違いを表示するのに、古くは旋光性の符号に基づく記号d(右旋性dextro-rotatory)とl(左旋性levo-rotatory)が用いられていたが、のちには糖またはアミノ酸の不斉炭素の周りの立体的配列に基づくDとLの符号が用いられるようになった。現在では、旋光性のdlを用いた表示はしだいに使われなくなり、右旋性は(+)、左旋性は(-)を化合物名の最先頭につけて表すようになった。旋光性は個々の不斉炭素原子だけが原因ではなく、分子全体の対称性が失われるとおこる現象である(分子が対称面、対称の中心、n回回映軸のいずれももたない場合に旋光性が現れる)ことが知られてきたので、不斉炭素原子がない不斉分子を含むすべての不斉分子が実際にとっている立体的な配列を基にして表示する立体配置の表示法が使われるようになった。これが国際純正・応用化学連合(IUPAC:International Union of Pure and Applied Chemistry)により推奨されているカーンRobert Sidney Cahn(1899―1981)、インゴルド、プレローグによる「RS表示法」(3人の名前の頭文字をとって「CIP法」ともいわれる)である。この方法による立体配置は、不斉分子が実際にとっている立体的な配列により決められるので「絶対立体配置」といわれ、図Cに示した方法で、すべての不斉分子は(R)または(S)立体配置に帰属される。図Cでは、分子Xabcdで、不斉中心Xに結合している原子の順位がa>b>c>dである場合に、dを見る人より遠い側に置いたときのabcの配列が右回りであれば(R)、左回りであれば(S)と帰属することになる。原子の順位は「順位則」で決められ、大まかには置換基を構成する原子の原子量の順序と考えてよく、直接結合している原子が同種の場合には2番目に近い原子を比較することになる。この命名法で使われているRはラテン語で右を意味するrectus、Sは同じく左を意味するsinisterに由来する。
 C=C二重結合などについての幾何異性体(シス‐トランス異性体)も立体配置の違いとしてこの表記法により取り扱われている。[廣田 穰]
『原田馨・日高人才著『新化学ライブラリー 立体化学』(1986・大日本図書) ▽大木道則著『立体化学』第4版(2002・東京化学同人) ▽David G. Morris著、石川勉訳『チュートリアル化学シリーズ2 立体化学の基礎』(2003・化学同人)』

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