鏡像異性体(読み)キョウゾウイセイタイ

デジタル大辞泉 「鏡像異性体」の意味・読み・例文・類語

きょうぞう‐いせいたい〔キヤウザウ‐〕【鏡像異性体】

原子立体配置が互いに鏡像関係となっている立体異性体エナンチオマー対掌体鏡像体。→ジアステレオマー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「鏡像異性体」の解説

鏡像異性体
キョウゾウイセイタイ
enantiomer

対掌体ともいう.立体構造が互いに実像と鏡像の関係にある一対の異性体をいう.不斉炭素原子に結合している原子または原子団の立体的な配置が異なっている2種類の分子は,右手左手の関係になっていて,互いに重ね合わすことができない.このような光学異性体偏光面を回転させる旋光性の方向だけが反対で,旋光度の絶対値,融点,沸点溶解度蒸気圧などの物理的性質およびすべての化学的性質は同じである.この関係は不斉炭素原子が存在しない分子不斉の場合でも同じである.しかし,鏡像異性体がほかの光学活性物質と反応する場合には反応速度に差が生じ,生成物も異なってくることがある.したがって,生体に関連した性質,たとえば味覚,生理作用などの性質は同じではない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「鏡像異性体」の解説

鏡像異性体

 対掌体,エナンチオマーともいう.立体異性体の一つで,互いに鏡に写した関係にある物質同士.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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