絹縮(読み)キヌチヂミ

デジタル大辞泉 「絹縮」の意味・読み・例文・類語

きぬ‐ちぢみ【絹縮】

縦糸生糸横糸強撚糸きょうねんしを使って織り上げ、精練して縦しぼを出した絹織物

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「絹縮」の意味・読み・例文・類語

きぬ‐ちぢみ【絹縮】

〘名〙 絹織物の一種
① 絹織の縮布。経(たていと)縮緬(ちりめん)、緯(よこいと)は右縒り、あるいは左縒りの強い縒(よ)りをかけた糸を用いたもので、織りあげてから精練してしぼ出しを行なうと、縮緬とは異なった竪筋(たてすじ)をあらわす織物。主に帯揚げ、腰ひもなどに用いられる。
※浮世草子・男色大鑑(1687)八「うるはしき女の絹縮(キヌチヂミ)広袖に黒じゅすの前帯」
② 新潟県十日町市で、文政(一八一八‐三〇)の末頃から、従来の産物であった縮布に基づき、経(たていと)には生糸、緯(よこいと)には苧麻(からむし)を用いて織り出した透綾(すきや)の俗称。現在でも改良を加えた透綾をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の絹縮の言及

【縮】より

…単に縮といえば綿縮のことが多い。絹縮は片しぼを絹縮といい,両しぼのものをちりめんと称して区別する。明石縮は江戸時代初期,播磨国明石でつくられ,その後,京都,小千谷でもつくられるようになり,昭和初期まで流行した。…

【ちりめん(縮緬)】より

…生糸のみ使ったものを本ちりめん,玉糸入りのものは玉ちりめん,紬入りは紬ちりめんなどと呼ぶ。ちりめん緯の配列の違いによってしぼの表れ方,形が異なり,左右1本交互を一越(ひとこし),2本交互を錦紗(きんしや),3本交互を三越,4本交互以上で出るしぼを〈うずら〉,片撚りだけのものは片しぼ,立てしぼ,楊柳と呼び絹縮になる。段ちりめんはちりめん緯と平糸などをさまざまに混ぜて織り込んだもので,経緯に強撚糸を使ったものをジョーゼットクレープと呼ぶ。…

※「絹縮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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