ひろ‐そで【広袖】
〘名〙
① 胴丸、腹巻など、鎧
(よろい)の袖の
一種。冠
(かぶり)の板から菱板
(ひしいた)まで、順次裾
(すそ)開きに仕立てたもの。
※応仁記(15C後)二「黒革縅の腹巻にひろ袖つけ」
※俳諧・鷹筑波(1638)五「むさし野はたた広袖(ヒロそで)の尾花哉〈重供〉」
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デジタル大辞泉
「広袖」の意味・読み・例文・類語
ひろ‐そで【広袖】
1 袖口の下を縫い合わせない袖。長襦袢・丹前・夜着などに用いる。平袖。
2 鎧の袖の一種。下方が広くなったもの。
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世界大百科事典内の広袖の言及
【袖】より
…【池田 孝江】
[和服の袖]
袖は衣(そ)の手の意で,〈ころもで〉ともいった。有袖(ゆうしゆう)と無袖があり,有袖には袖口の形から広袖と小袖がある。漢民族の模倣であった窄袖(さくしゆう)(筒状の幅の広い袖)は国風化によって平安時代には長大なものとなり,衣冠,束帯,唐衣装などの貴族の装束類は,みな袖口のあいた広袖であった。…
【能装束】より
…(7)その他 襟(各種),鬘帯(各種),鉢巻(各種),腰帯,掛絡(から),篠懸(すずかけ),木綿襷(ゆうだすき),腰簑(こしみの),小刀(ちいさがたな),太刀。 以上のとおりだが,(3)~(5)の装束を形態上から分類すると,広袖物(袖口が広く,縫いふさいでいない大袖形態のもの)と詰袖物(小袖物。袖を縫い詰めた小袖形態のもの)とに大別され,(3)は広袖物,(4)と(5)は詰袖物である。…
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