普及版 字通 「綰」の読み・字形・画数・意味
綰
14画
[字訓] むすぶ・つなぐ・わな
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は官(かん)。その語頭子音を脱落したもの。〔説文〕十三上に「惡しき絳(あか)なり」(段注本)とあり、また〔広雅、釈詁三〕に「縮むなり」、〔玉〕に「貫くなり」とあり、糸を引いて結ぶことをいう字であろう。金文に「綽綰(しゃくわん)」という語があり、〔(さいけつき)〕「用(もつ)て眉壽を(きかい)(希求)し、永命を綽綰し、厥(そ)の生を彌(をふ)るまで靈ならん」とあって、綽綰はそれをたぐり寄せ、つなぎとめる意。「璽を綰(むす)ぶ」「髪を綰ぶ」のように用いる。
[訓義]
1. むすぶ、つなぐ、つらぬく。
2. わな、わぐ、ちぢめる、たぐる、まとめる。
3. わるい赤色。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕綰 ツナグ・カカル・ツラヌク 〔立〕綰 ツラヌク・カク・ツカサドル・ワキリ・スブ・ムラサキ 〔字鏡集〕綰 カカル・ツラヌク・マツフ・ツナグ・スク・ナハ・カク
[熟語]
綰髻▶・綰結▶・綰合▶・綰轂▶・綰錯▶・綰糸▶・綰綬▶・綰摂▶・綰組▶・綰束▶・綰髪▶・綰臂▶・綰約▶
[下接語]
一綰・行綰・高綰・手綰
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報