綺語抄(読み)キゴショウ

デジタル大辞泉 「綺語抄」の意味・読み・例文・類語

きごしょう〔キゴセウ〕【綺語抄】

平安後期の歌学書。3巻。藤原仲実著。嘉承2年(1107)から永久4年(1116)ごろの間に成立。難解な歌の詞や単語天象から植物までの17部門に分類し、万葉集古今集などから例歌を引用して注釈を加えたもの。国語辞典先駆をなす。

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精選版 日本国語大辞典 「綺語抄」の意味・読み・例文・類語

きごしょうキゴセウ【綺語抄】

  1. 平安後期の歌学書。三巻。藤原仲実著。嘉承二年(一一〇七)から永久四年(一一一六)の間に成立。難解な歌詞歌語を天象から植物まで一七部門に分類し、「万葉集」「古今集」などから例歌を引いて注釈したもの。「五家髄脳」の一つで国語辞典の先駆をなす。仲実抄。仲実綺語抄。

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世界大百科事典(旧版)内の綺語抄の言及

【辞書】より

… またこの時代には和歌の学問がさかんになって,古歌の語が研究されるようになり,多くの歌論書が作られた。その中で,能因法師の《能因歌枕(うたまくら)》1巻,藤原仲実(なかざね)の《綺語(きご)抄》3巻,藤原清輔(きよすけ)の《奥儀(おうぎ)抄》3巻(天治~天養期(1124‐45)ころ成立),顕昭の《袖中(しゆうちゆう)抄》20巻(文治期(1185‐90)ころ成立),藤原範兼(のりかね)の《和歌童蒙(どうもう)抄》10巻(1135‐55(保延1‐久寿2)の間に成立)などの中には,歌語を集めて意味分類をし,それに解釈を加えた部分が含まれている。
[鎌倉・室町時代]
 平安時代の辞書の影響を受けながら,多くの辞書が新しく編まれた。…

※「綺語抄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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