総別(読み)ソウベツ

デジタル大辞泉 「総別」の意味・読み・例文・類語

そう‐べつ【総別/×惣別】

[副]総じて。概して。おおよそ。
「―、役人ちゅうもんは上役に向うと価値ねうちのないもんじゃがのう」〈上司太政官
[名]一般的なことと個別的なこと。すべてのこと。万事
「―につけて嘆きおぼしめせども」〈平家・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「総別」の意味・読み・例文・類語

そう‐べつ【総別・惣別】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「総」「惣」は一般的なこと、「別」は個別的なことの意 )
    1. 一般的なことと個別的なこと。すなわち、あらゆること。すべてのもの。
      1. [初出の実例]「当知今日綴属之文。定為後日摠之記」(出典:本朝文粋(1060頃)一〇・於天台山円明房月前閑談詩序〈大江以言〉)
      2. 「世間も落居せぬさまに成行事、惣別につけて歎きおぼしめせ共」(出典:平家物語(13C前)三)
    2. おおまかなことと、こまかなこと。まとめることと、わけること。一般的なことと、特別なこと。
      1. [初出の実例]「惣別の字も二つあり、惣(すべ)てと別となり、通称別称の心なり」(出典:随筆・遠碧軒記(1675)下)
      2. [その他の文献]〔十不二門〕
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 総じて。概して。およそ。だいたい。
    1. [初出の実例]「人め内めいわく申およばず候、そうへつ、くくすいろいろそれがしのまへ申あげられ候由」(出典:上杉家文書‐(年未詳)(16C前)一〇月二三日・五十嵐惟秀申状)
    2. 「さうであらう、そうべつそのやうなやつじゃ」(出典:虎明本狂言・目近籠骨(室町末‐近世初))

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