線路容量(読み)せんろようりょう(英語表記)track capacity

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄道線路のある区間を1日に運転できる最大列車回数。実際には列車の速度、列車の種類(性能の相違)、停車場の設備(追抜き待避線などの有無)、利用客の便を考慮した有効時間帯の幅などの要素があるので、線路容量の実効値は、その線区の24時間を通じた物理的な限界容量でなく、むしろ朝夕のラッシュ時間帯に最高何回列車が走行できるかが問題となる。普通、単線区間では1日80回、複線区間では240回が限度とされている。列車種別が単一であれば線路容量は大きく、特急旅客列車と低速度の貨物列車とが混在して使われる線区は線路容量が低下する。また追抜き待避線を有する駅間距離の短い線区は線路容量が高い。列車の加減速度の高いものにそろえることも容量を高める。信号機による閉塞(へいそく)区間を縮めたり、ATC、ATSなどによる保安設備を施すことも線路容量を高める要素になる。始終端駅での列車折返し設備としての発着番線の多少や分岐器設備の配置によっても線路容量が支配される。また、都会のラッシュ時間帯では混み合う駅のプラットホームにおける旅客の乗降に要する時間が線路容量を制約する条件にもなる。新幹線は同一性能の高速旅客列車のみを扱っているので、深夜の運転はしていないが、有効時間内での線路容量はきわめて高い。

[西尾源太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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