繰出す(読み)クリダス

デジタル大辞泉 「繰出す」の意味・読み・例文・類語

くり‐だ・す【繰(り)出す】

[動サ五(四)]
細長い物を順々に引き出す。「糸を―・す」
次々に送り出す。「新手を―・す」
手もとから勢いよく突き出す。「槍を―・す」
大ぜいがそろって勢いよく出かける。「みこしを―・す」「盛り場へ―・す」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「繰出す」の意味・読み・例文・類語

くり‐だ・す【繰出】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行五(四) 〙 何人かが勢いこんで、出てくる。また、出かける。くりいだす。
    1. [初出の実例]「ただちに河岸に繰出(クリダ)し、軍艦帰路を絶(たた)んとす」(出典:新聞雑誌‐五号・明治四年(1871)四月二四日)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
    1. 糸や綱などを繰って順々に出していく。また、ものを順々に引き出す。くりいだす。
      1. [初出の実例]「繰り出して打法蔵寺縄」(出典:雑俳・柳多留‐一〇五(1828))
    2. 手元から勢いよく突き出す。
      1. [初出の実例]「繰り出す槍の穂先には瞋恚(しんい)の燄(ほむら)が焼け付いて居る」(出典:幻影の盾(1905)〈夏目漱石〉)
    3. 事実を探り出す。
      1. [初出の実例]「馬場先ではな、といわうとして、ほんにどこまでくり出されやふもしれぬ」(出典:洒落本・短華蘂葉(1786))

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