瞋恚(読み)シンイ(その他表記)krodha

デジタル大辞泉 「瞋恚」の意味・読み・例文・類語

しん‐い【××恚/××恚】

連声れんじょうで「しんに」とも》
怒ること。いきどおること。「―に燃える」
仏語三毒十悪の一。自分の心に逆らうものを怒り恨むこと。
[類語]怒り腹立ち憤り怒気憤怒ふんど・ふんぬ憤懣ふんまん鬱憤うっぷん義憤痛憤悲憤憤激憤慨ふんがい立腹激怒癇癪かんしゃく逆鱗げきりん憤ろしい腹立たしい業腹ちゅうっ腹やけっ腹悲憤慷慨喧嘩早い喧嘩っぱや癇癖癇性ヒステリック虫気短気気短短慮せっかち性急気早気が短い気忙しい直情径行逆上高ぶるのぼせる激するかっとなるいきり立つはやり立つのぼせ上がる血迷う血走る怒りっぽい切れる瞬間湯沸かし器

しん‐に〔‐イ〕【××恚】

しんい」の連声れんじょう

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精選版 日本国語大辞典 「瞋恚」の意味・読み・例文・類語

しん‐い【瞋恚・嗔恚】

  1. 〘 名詞 〙 ( 連声で「しんに」とも発音する ) 仏語。三毒(貪毒・瞋毒・痴毒)、十悪などの一つ。自分の心に違うものを怒りうらむこと。一般に、怒りうらむこと。瞋。しんね。
    1. [初出の実例]「其鱗類。則有慳貪瞋恚極痴大欲。」(出典三教指帰(797頃)下)
    2. 「不可意の境を縁じて瞋恚(シンイ)煩悩を起し」(出典:真如観(鎌倉初))

しん‐ね【瞋恚・嗔恚】

  1. 〘 名詞 〙しんい(瞋恚)
    1. [初出の実例]「今、あさかりししんねの報いに、国土の衆生になりにたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)

しん‐に‥イ【瞋恚・嗔恚】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しんい」の連声 ) ⇒しんい(瞋恚)

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普及版 字通 「瞋恚」の読み・字形・画数・意味

【瞋恚】しんい

いかる。〔後漢書、方術下、華佗伝〕一郡守り、篤きこと久し。佗以爲(おも)へらく、怒せば則ち差(い)えんと。乃ち多く其のを受け、~書を留めて之れを罵る。太守果して大いに怒り、~瞋恚に因りて血を吐くこと數升にして(い)ゆ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瞋恚」の意味・わかりやすい解説

瞋恚
しんに
krodha

仏教用語。心作用の一つ。仏教の教えのなかで特に心の働きを中心に説明する倶舎宗では,不定地法の一つとみなしている。また唯識の教えでは,三毒の煩悩の一つとして修行者にとっての最大障害とみている。六煩悩の一つ。自分の心にかなわないことに対し憎しみ憤る心作用のこと。

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