罷通(読み)まかりとおる

精選版 日本国語大辞典 「罷通」の意味・読み・例文・類語

まかり‐とお・る ‥とほる【罷通】

〘自ラ五(四)〙
① 「通る」の謙譲語。行き過ぎる。通り行く。
古事談(1212‐15頃)三「是を罷通る事侍つるに」
② 「通る」を強めていう語。あえてあたりかまわず通る。堂々と通る。
※きりしとほろ上人伝(1919)〈芥川龍之介〉「大手をふってまかり通った異形奇体の姿こそ」
③ (転じて) 堂々と通用する。
※「文壇」崩壊論(1956)〈十返肇〉二「古い文壇的倫理によって育てられた人々が、いかに嫌厭したところでお構いなしに罷(マカ)り通っている」

まかり‐かよ・う ‥かよふ【罷通】

〘自ハ四〙 「行き通う」の謙譲語。通って行く意をへりくだって丁重にいう。
古今(905‐914)雑下・九七〇・詞書「これたかのみこのもとにまかりかよひけるを、かしらおろして、をのといふ所に侍りけるに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android