羈縻(読み)キビ

デジタル大辞泉 「羈縻」の意味・読み・例文・類語

き‐び【××縻】

[名](スル)《「羈」は馬の手綱、「縻」は牛の鼻綱の意》つなぎとめること。また、そのもの。束縛
人心を束縛―せず」〈村田文夫・西洋聞見録〉

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精選版 日本国語大辞典 「羈縻」の意味・読み・例文・類語

き‐び【羈縻】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「羈」は、馬のたづな、「縻」は、牛の鼻につけて引く綱 ) つなぎとめること。つながれること。また、その綱。羈絆。束縛。
    1. [初出の実例]「顧惟世俗、纏縛貪慾、煎迫心意、羈縻愛鬼、燋灼精神」(出典三教指帰(797頃)中)

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普及版 字通 「羈縻」の読み・字形・画数・意味

【羈縻】きび

つながれる。〔史記、封禅書〕天子方士の怪の語に怠厭す。然れども羈縻せらるることえず、其の眞にはんことを冀(ねが)ふ。

字通「羈」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の羈縻の言及

【羈縻政策】より

…中国歴代の王朝が周辺民族に対してとった外交政策。羈縻とは,羈(覊)が馬の手綱,縻が牛の鼻綱のことで,そこからつなぎとめる意味に転じた。さらに《史記》の司馬相如伝に漢の武帝の施策にふれ〈皇帝の夷狄(いてき)に対する態度は馬や牛を繫(つな)ぎとめておくように,かかわりを断たない程度にしておくのが筋道である〉とみえるとおり,夷狄を巧みに御していく外交用語となった。…

【都護府】より

…中国,代の羈縻(きび)支配(羈縻政策)による属地経略の最高機関。周辺諸民族の討滅や帰順で,唐の支配は,東は朝鮮半島から西は中央アジアに,北はシベリア南辺から南はインドシナ半島におよんだ。…

※「羈縻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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