美村（読み）みたにむら

日本歴史地名大系

美村
みたにむら

• 鳥取県：岩美郡
• 国府町
• 美村

[現在地名]国府町美歎

町屋（まちや）村の東に位置する。「延喜式」神名帳に載る法美（ほうみ）郡九座の一、「美歎（ミタニノ）神社」に比定される神社がある。宇倍野（うべの）山（現稲葉山）山中に発する袋（ふくろ）川の支流美歎川の谷間に集落があり、支村に八反田（はつたんだ）がある。同川上流には宇倍野に居住した因幡小鍛冶景長が発見した荒砥石産出場があるという（因幡志）。もとは三谷村と記したが、元禄一四年（一七〇一）に美歎村に改めている（「変地其外相改目録」県立博物館蔵）。拝領高は三一一石余、本免は七ツ三分。太田氏の給地があった（給人所付帳）。「因幡志」によれば家数四七で、荒砥石・巻柏・瘤梨子を産した。弘化二年（一八四五）の竈数五二、作人一〇〇・出奉公人一五・入奉公人七・出生六・死去九、牛二五（「作人帳」井上家文書など）。同四年の上構下札略写（県立図書館蔵）では朱高三四〇石余（うち畑高一八石余）で、年々開七七石余などを合せた都合高は四一八石余。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」