美談村(読み)みだみむら

日本歴史地名大系 「美談村」の解説

美談村
みだみむら

[現在地名]平田市美談町

西代にしだい村・国富くんどみ村の南西に位置し、「みだん」ともいう。古代出雲郡美談郷、中世美談庄の遺称地。集落は北山山地南麓の二筋の谷間(東谷・西谷)から、出雲平野の平地にわたって開け、村の南部を斐伊川が東へ流れる。村域は東西一六町余・南北八町余で、西は東林木ひがしはやしぎ(現出雲市)に続く。寛政四年(一七九二)の万差出帳(平田市立旧本陣記念館蔵)によると当村御杖桜元より対岸出雲郡今在家いまざいけ(現斐川町)までの斐伊川の川幅は「指渡百八拾三間」で、橋はなく徒渡であった。また舟運では平年「舟通行百度 筏五十度」ほどの利用があった(明治六年「地理取調書」県立図書館蔵)。杵築道は斐伊川の左岸堤防上を走り(幅二間)、ほかに集落の中を東林木村から入り国富村へと続く道(山手大路とよび幅一間三尺)が通っていた(同取調書)近世の郷村帳類でみると当村は寛文年中(一六六一―七三)頃までは出東しゆつとう(出雲郡)に属し、元禄十年出雲国郷帳以降は楯縫たてぬい郡となる。ただし天保郷帳、天保国絵図(内閣文庫蔵)では旧態のまま出雲郡とされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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