日本大百科全書(ニッポニカ) 「羽区」の意味・わかりやすい解説
羽区
うく
pteryla
feather tract
鳥類の体表面のうちで、体羽の生えている部分。ペンギンや、走鳥類などの少数の例外を除くと、鳥類の皮膚には一面に羽毛が生えているわけではなく、羽毛の生えている部分と裸の部分(若干の綿羽は除く)とがある。裸の部分を、羽区に対して裸区apteriumという。羽毛は、羽嚢(うのう)feather follicleで形成されるので、羽区域pterylosisつまり羽区の分布のパターンが羽嚢の分布にしたがって生じる。羽区域は一般に鳥類の種、属によって一定であり、分類に利用される。なお、羽区域について研究する鳥学の分野を羽区学pterylography (pterylology)という。
[森岡弘之]