老人性白斑(読み)ろうじんせいはくはん(英語表記)Senile leukoderma

六訂版 家庭医学大全科 「老人性白斑」の解説

老人性白斑
ろうじんせいはくはん
Senile leukoderma
(皮膚の病気)

どんな病気か

 高齢者の皮膚にみられる点状の白斑です。表皮色素細胞減少と、色素細胞の機能低下によるメラニン色素の減少により、皮膚の色素が薄くなり白斑になります。その原因はよくわかっていませんが、一種加齢による影響であると考えられています。

症状の現れ方

 高齢者の四肢や体幹に、米粒大の白斑が出現します。女性よりも男性に多いといわれています。数個から数十個まで、白斑の数には個人差があります。基本的には、個々の白斑は拡大したり融合したりしません。

検査・治療の方法

 特別な検査は必要ありません。熟練した皮膚科医であれば、通常は診察をするだけで診断できますが、癜風(でんぷう)と判別すべき場合もあります。

 現在のところ有効な治療法はありません。

病気に気づいたらどうする

 癜風菌による低色素斑と見分けるためには、顕微鏡検査が必要な場合があります。また、よく似た病気尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)に対しては効果的な治療法があるので、一度、皮膚科医の診察を受けて診断を受けるのがよいでしょう。

堀川 達弥

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

家庭医学館 「老人性白斑」の解説

ろうじんせいはくはん【老人性白斑 Leukoderma Senilis】

[どんな病気か]
 からだや手足に直径数mm大の円形に近い白斑が散在するもので、自覚症状はありません。早い人では30歳代からみられますが、50歳代になると約70%の人にみられ、高齢者になるほど数が増えます。
[原因]
 皮膚の老化にともない、メラニン色素をつくる色素細胞の機能が低下し、数も減少します。その結果、表皮(ひょうひ)の細胞にメラニン色素が供給されなくなるためにおこります。
 治療の方法はありませんが、そこから皮膚がんなどの悪性腫瘍(あくせいしゅよう)ができることはなく、放置しても心配ありません。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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