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老化理論 ろうかりろん aging theory

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知恵蔵2015の解説

老化理論

老化の理論には、プログラム説とエラー破局説の2つがある。プログラム説は細胞の分裂回数が遺伝子により決まっており、それが個体の寿命を左右しているという説である。ヒトの線維芽細胞(結合組織を構成している、長い紡錘形の細胞)を試験管内で培養すると、約50回分裂したのち、細胞の寿命が尽きる。染色体の末端にあるテロメアという構造が分裂のたびに短くなり、やがてなくなった時がちょうど細胞の寿命になるという説。一方、エラー破局説は、細胞内の遺伝子に突然変異不規則に起こり、それが蓄積していくことによって細胞の分裂能が消失し、細胞の寿命が尽きるという説。このエラー破局説の1つに、フリーラジカル(free radical)によって遺伝子に変化が起こるというラジカル説(radical theory)がある。ラジカル(フリーラジカル)は一般に、分子または原子団に不対電子を持つ化学種を指し、その代表に活性酸素がある。ラジカルによってDNA(遺伝子)の障害が起こり、それが蓄積されることによって細胞の機能障害が起こってくる。やがて、機能障害が蓄積し、細胞の老化、ついには細胞死がもたらされる。細胞死は、個体としての老化につながると考えられる。プログラム説とエラー破局説は、対立するものではなく、相補って個体の老化は進んでいくものと現在では考えられている.

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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