耐酸合金(読み)タイサンゴウキン

関連語 名詞

精選版 日本国語大辞典 「耐酸合金」の意味・読み・例文・類語

たいさん‐ごうきん‥ガフキン【耐酸合金】

  1. 〘 名詞 〙 酸に溶解されたり侵食されたりしにくい合金。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「耐酸合金」の解説

耐酸合金
タイサンゴウキン
acid resisting alloy, acid resistant alloy

硫酸塩酸のような,酸によって腐食されないことを目的としてつくられた一群の合金.鉄にCrを添加すると,硝酸のような酸化性の酸には溶解しなくなるが,塩酸や硝酸には純鉄よりかえって溶解しやすくなるので,Cr鋼は一般に耐酸鋼には含めない.一方,鉄にNiやSiを添加すると,その量が増すほど硝酸のほか,塩酸,硫酸に対しても溶解しにくくなり,とくにNi 25質量% 以上,Si 15質量% 以上で塩酸,硫酸に対する耐酸性がいちじるしく向上する.また,Mo添加も耐塩酸性,耐硫酸性の両方を改善し,Cuは耐硫酸性を改善するが,これらの元素の影響はほぼ加算的である.そこで,18-8ステンレス鋼のCr,Ni量を増すとともにMo,Cu,Siなどを加えたものが耐酸鋼として利用され,またSi 15質量% を含む鉄は耐酸鋳鉄として知られている.ニッケル合金では,30質量% Cu-Niのモネルメタルが耐硫酸合金として,またMoを20質量% 以上添加したハステロイなどは耐塩酸合金として重要である.銅合金では,Cu-Si系の合金がある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「耐酸合金」の解説

耐酸合金

 酸に対して比較的強い合金.特に鉄の合金についていわれる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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