モネルメタル(英語表記)monel metal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モネルメタル」の意味・わかりやすい解説

モネルメタル
monel metal

ニッケル Ni62~70%,銅 Cu30~35%,ほかに鉄,アルミニウムマンガンなどを含む耐食合金。もとカナダのインタナショナルニッケル会社で A.モネルが Ni:Cu=7:3の比に含む鉱石を還元して得た (1905) のでその名がついたが,以後各国で同質または改良合金を溶製するようになった。通常のモネル (Monel400) は引張り強さ 588MPa,ブリネル硬さ HB 150の強い合金であるが,特色海水,酸,アルカリに対する耐食性で,ほとんど化学工業用構造材とされる。Rモネル (Monel R-405,硫黄を 0.04%添加) は快削モネルといわれ,被切削性がよい。Kモネル (Monel K-500,アルミニウム3%添加) は焼入れ後の焼戻しで時効硬化して引張り強さ 120 kg/mm2 ,HB 300以上に達し,航空機用非磁性部品,機械用耐食部品に用い,Sモネル (ケイ素4%,鉄2%添加) およびケイ素2%,鉄 1.5%添加のモネルは鋳造用で,用途はやはり耐摩耗耐食部品である。 JISでは Monel 400と Monel K-500に相当する Ni-Cu合金が規格化されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android