聖武記(読み)せいぶき(その他表記)Sheng-wu-ji; Shêng-wu-chi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖武記」の意味・わかりやすい解説

聖武記
せいぶき
Sheng-wu-ji; Shêng-wu-chi

中国清朝用兵始末を記した書物。魏源著。 14巻。道光 22 (1842) 年に成り,同 24,26年に改訂増補。アヘン戦争敗北に啓発され,愛国の情にかられて著わした。1~10巻には,清の興起からアヘン戦争まで,国内の諸反乱や周辺民族の平定などについて分類叙述し,11巻以後に軍事財政の再建策などについて説いている。

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世界大百科事典(旧版)内の聖武記の言及

【魏源】より

…経世家としては,江蘇布政使の賀長齢の命で《皇朝経世文編》120巻を編纂して以来,当代の政治経済に深い関心を寄せ,塩政改革や海運問題で彼の主張が採用された。アヘン戦争(1840)が起こると,欽差大臣両広総督を罷免された林則徐の依頼により,海外事情紹介の地理書《海国図志》50巻(1842)を著し,また同じ年に,清朝一代の政治経済史ともいうべき《聖武記》14巻を完成した。彼は政治や社会の諸制度は時代の変遷と人間の欲望によって変化するものだという観念をいだいていて,後の変法派に継承された。…

※「聖武記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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