聞耳(読み)ききみみ

精選版 日本国語大辞典 「聞耳」の意味・読み・例文・類語

きき‐みみ【聞耳】

〘名〙
① 耳で聞くこと。また、その聞いた感じ
※枕(10C終)六「おなじことなれども、ききみみことなるもの」
② (━する) よく聞こうと注意すること。また、そうしている耳。
※俳諧・竹馬狂吟集(1499)序「人のかたれる口をうつし、己がききみみに入がばかり也」
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中「嫉妬深き近所の誰彼目を側め、聞耳(キキミミ)(すま)して」
世間評判。ひとぎき。外聞
源氏(1001‐14頃)若菜上「かく世のききみみもなのめならぬ事の出で来ぬるよ」
④ 聞くべき価値のあるところ。
※足利本人天眼目抄(1471‐73)中「泥牛石馬は陰陽の聞き耳だぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「聞耳」の意味・読み・例文・類語

きき‐みみ【聞(き)耳/聴(き)耳】

よく聞こうとすること。また、そうしているときの耳。
嫉妬ねたみ深き近所の誰彼目をそばめ、―すまして」〈紅葉・二人女房〉
耳で聞いた感じ。
「同じ事なれども―異なるもの、法師言葉」〈・六〉
人聞き。外聞。
「世の―もいかがと思ひ給へてなむ煩ひぬる」〈竹河

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