外聞(読み)ガイブン

デジタル大辞泉 「外聞」の意味・読み・例文・類語

がい‐ぶん〔グワイ‐〕【外聞】

内部の事が他人に知られること。また、知られたときの世間での評判。「外聞をはばかる」
世間に対する体裁世間体。「外聞が悪い」
名誉。面目
道具も着る物もとられて―を失はう」〈虎明狂・悪太郎
[類語]世間体体面体裁格好評判

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精選版 日本国語大辞典 「外聞」の意味・読み・例文・類語

がい‐ぶんグヮイ‥【外聞・外分】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 内部の物事を、外部の人に聞かせること。また、外部に知られること。世間でうわさされること。〔明衡往来(11C中か)〕
    1. [初出の実例]「まいらねばならず、まいればはらるる、ぐゎいぶんもめいわくに御ざある」(出典:虎明本狂言・居杭(室町末‐近世初))
    2. [その他の文献]〔隋書‐東夷伝〕
  3. 外から見える様子。世間の人に対する体裁。
    1. [初出の実例]「太刀などもたするは、外聞でこそあれ、一人に色々の物をもたせては、めんぼくをうしなふ事なれ共、がてんがゆかぬ」(出典:虎明本狂言・止動方角(室町末‐近世初))
    2. 「人の心ほどおそろしきものは御座らぬ。両方の外聞(グイブン)、見せかけばかりに内談と存ずる」(出典:浮世草子・世間胸算用(1692)二)
  4. ( 形動 ) すぐれたものと認められること。また、それを誇らしく思うこと。名声。評判。名誉。
    1. [初出の実例]「被御同心候者、天下外聞、併可御武運御長久候」(出典:伊達家文書‐(天文一七年カ)(1548か)一一月一三日・巣林庵等祥書状)
    2. 「仲間中(ぢう)えの聞えといひ、外聞でござります」(出典:浄瑠璃小野道風青柳硯(1754)一)

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