法師(読み)ホウシ

デジタル大辞泉の解説

ほう‐し〔ホフ‐〕【法師】

仏法によく通じ、人々を導く師となる者。また一般に、僧。出家。ほっし。
俗人で僧形をした者。「琵琶(びわ)法師」「田楽法師
《昔、男の子は頭髪をそっていたところから》男の子。
「いつかまた―が母にあひたけの、乱れ心や狂ふらん」〈虎明狂・法師が母
名詞に添えて「人」の意を表す。多く「ぼうし」と濁る。「一寸法師」「影法師

ほっ‐し【法師】

ほうし(法師)

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世界大百科事典 第2版の解説

ほうし【法師】

狭義にはもっぱら仏法を演説する師のことを指すが,広義には出家して衆生を導く僧のことをいう。〈ほっし〉〈のりのし〉とも読む。《日本書紀》は僧,沙門,大徳などを〈ホウシ〉と訓じているので,早くから国語化して用いられたものと思われる。律令時代には伝灯大法師位伝灯法師位のように僧位の名称ともなったが,一般には僧侶を意味し,延暦寺の僧を山法師,園城(おんじよう)寺の僧を寺法師,興福寺の僧を奈良法師とも呼ぶ。

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大辞林 第三版の解説

ほうし【法師】

仏道を修め、仏法に精通し、その教えを広め導く人。僧。僧侶。出家。
法体をした俗人の男子。 「琵琶-」 「六十余りの-、素肌に紙子の袷、破れたる十徳に浅黄の頭巾横さまに被き/浮世草子・好色万金丹」
〔昔、男の子は頭髪をそっていたところから〕 男の子。
「法師武者」の略。
他の語の下に添えて、「人」の意を表す。多く「ぼうし」と濁る。 「影-」
[句項目] 法師の櫛貯え

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

法師
ほうし

僧侶(そうりょ)の総称として用いられるけれども、古くは僧位として伝燈(でんとう)大法師位、伝燈法師位、修行大法師位、修行法師位の四階があった。すなわち、もとは敬称だったのである。仏法の師であって、経を持ち、読み、誦(ず)し、解説し、書写する師を五種法師といった。しかし一般僧侶が上人(しょうにん)とか禅師(ぜんじ)、論師、律師などの敬称でよばれるようになると、下位の僧や山伏的堂衆(どうしゅ)だけを法師とよび、山法師(比叡山(ひえいざん))、寺法師(園城(おんじょう)寺)、奈良法師(興福寺)は僧兵の別称となった。[五来 重]

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精選版 日本国語大辞典の解説

のり‐し【法師】

書紀(720)孝徳即位前(北野本訓)「沙門(ノリシ)(〈別訓〉のりのし)旻法師(みんほうし)、高向の史(ふみひと)玄理を以て、国の博士と為」

ほう‐し ホフ‥【法師】

〘名〙
① 仏語。出家して仏道を修行し、仏法に精通して、衆生を正しく導く師となる者。
※円照上人行状(1302)「通悟性相、名為恵学、阿毗達摩所似精祥、名之法師」 〔法華経‐序品〕
② 僧侶。出家。
※書紀(720)崇峻元年是歳(図書寮本訓)「僧(ホウシ)・令斤・恵等を遣して仏の舎利を献る」
※徒然草(1331頃)五二「仁和寺にある法師、年寄るまで、石清水を拝まざりければ」
③ (昔、男の子は頭髪をそっていたところからいう) 男の子。坊(ぼう)
※俳諧・誹諧之連歌(飛梅千句)(1540)京何第九「少人のいにしへ今のひとりごと いつかほうしのうかひ出まし」
④ 俗人の法体した者。特に琴、三味線の師匠をし、また遊興の相手などする座頭。
浮世草子・好色二代男(1684)六「夢松、昼太夫と、替名呼て、皆六十余の法師(ホウシ)也」
⑥ ある語に添えて「人」の意を表わす語。多く、「ぼうし」と濁る。「一寸法師」「影法師」など。

ほっ‐し【法師】

※熱田本平家(13C前)四「大衆已下の法師(ほッし)(ばら)

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世界大百科事典内の法師の言及

【僧】より

…比丘とは乞食者(パーリ語のビックbhikkhu)の意味で,仏教の修行者が元来,出家・遊行を旨とし,托鉢(たくはつ)すなわち鉢を持って食を乞うて生活する沙門(しやもん)であったことに由来する。修行者はまた,教団内の役割に応じて,上座(大衆を統率する),維那(寺務をつかさどる),阿闍梨(あじやり)(大衆の教育に当たる),和尚(弟子を養育する)等とよばれ,あるいは法師(在家信者へ説法。布教者),瑜伽師(ゆがし)(禅師。…

【僧】より

…比丘とは乞食者(パーリ語のビックbhikkhu)の意味で,仏教の修行者が元来,出家・遊行を旨とし,托鉢(たくはつ)すなわち鉢を持って食を乞うて生活する沙門(しやもん)であったことに由来する。修行者はまた,教団内の役割に応じて,上座(大衆を統率する),維那(寺務をつかさどる),阿闍梨(あじやり)(大衆の教育に当たる),和尚(弟子を養育する)等とよばれ,あるいは法師(在家信者へ説法。布教者),瑜伽師(ゆがし)(禅師。…

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