肥塚村(読み)こいづかむら

日本歴史地名大系 「肥塚村」の解説

肥塚村
こいづかむら

[現在地名]熊谷市肥塚・箱田はこだ一―五丁目・円光えんこう一―二丁目

大里郡おし領に所属(風土記稿)荒川の沖積扇状地東端に位置し、荒川旧河道の一部が南の熊谷宿・箱田村の境界をなす。村の西部南北に熊谷太田道が通る。かつては大古墳群であったと推定される肥塚古墳群がある。中世の枇塚郷に比定され、同書は「枇塚ハ則肥塚ノ仮借ニシテ、昔ハヒヅカトモ唱ヘシ」と記す。丹党肥塚氏の名字の地といわれる。正平七年(一三五二)二月六日の足利尊氏袖判下文写(「古文書」内閣文庫蔵)によると、「武蔵国大里郡桃塚郷牧七郎兵衛尉跡」などが勲功の賞として本郷家泰に宛行われているが、桃塚は枇塚の誤記であろう。現栃木県日光市輪王りんのう寺が所蔵する応永三年(一三九六)一〇月一八日に頓写された大般若経巻第一一の奥書には、「武蔵国村岡如意輪寺頓写大般若内、於肥塚宝珠寺令書写畢」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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