日本大百科全書(ニッポニカ) 「肩掛け」の意味・わかりやすい解説
肩掛け
かたかけ
女子が外出のとき、寒さを防ぐために肩に掛ける布、編物、毛皮製品の総称。ショール、ストールともいう。形は長方形、正方形、三角形などがあり、大きさはさまざまである。ビロード、シフォン・ベルベット、絹、毛、綿など、織り方、材質も多岐にわたっている。とくにインド・カシミール地方のカシミヤの毛で織られたカシミヤ・ショールは高価なもので、高級品として好まれる。化学繊維の発達とともに、これらを素材にしたものも多く用いられている。肩掛けはヨーロッパで発達したもので、衣服の装飾用としての補助的役目と防寒の目的に用いられていた。日本では1877年(明治10)ごろ洋服とともに東京を中心に一部の人たちに使用され、明治中期ごろから和服にも用いられるようになって今日に至っている。
[藤本やす]