カシミヤ(読み)かしみや(その他表記)cashmere

翻訳|cashmere

デジタル大辞泉 「カシミヤ」の意味・読み・例文・類語

カシミヤ(cashmere)

カシミア

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カシミヤ」の意味・わかりやすい解説

カシミヤ(毛織物)
かしみや
cashmere

カシミヤ・ショールともよばれ、インドカシミール地方のカシミヤヤギや、チベットのヤギの軟毛(なんもう)を使って細く紡績したのち綾織(あやおり)にしたうえに、刺しゅうまたは縫い取りによって緻密(ちみつ)な伝統的文様を表した毛織物。16世紀から18世紀にかけて盛んに製織され、製品は世界的に賞美されたが、機械生産の発達により衰退した。現在、カシミヤと称しているのはこれとは別で、カシミヤ毛を使って平織または綾織とし、製織ののち縮絨(しゅくじゅう)・起毛して毛並みを一方にそろえて伏せ、光沢を出したものである。手ざわりがきわめて柔らかく、しかも軽いため、オーバー地、襟巻地などに使われる高級の紡毛織物である。しかし強度が比較的弱いのが欠点で、取扱いには慎重を要する。

[角山幸洋]


カシミヤ(ウシ科)
かしみや
Cashmere

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。家畜ヤギの毛用品種。インドのカシミールおよびチベットの原産で、毛色は白が多く、有角無角さまざまである。冬の下毛は絹状の光沢をもち、カシミヤとよばれ、高級織物の原料として珍重される。

[西田恂子]

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とっさの日本語便利帳 「カシミヤ」の解説

カシミヤ

カシミール(カシュミール。Kashmir)▼インド北西部からパキスタン北東部に広がる地方。一八四六年に英国保護領となったが、一九四七年以降はインドとパキスタンの係争地として三度も戦争が起こり、現在は七二年の和平協定による停戦ラインが国境となっているが、紛争は絶えない。中心都市はインドのスリナガル。この地方を原産とする「カシミヤ」は、カシミヤ山羊(Kashmir goat)の良質な毛を紡いだカシミヤ糸を主材料とした高級毛織物。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

化学辞典 第2版 「カシミヤ」の解説

カシミヤ
カシミヤ
Cashmere

北インド・カシミール地方,中国南西地区,チベット,イランイラクなどで産するカシミヤ山羊から採取した獣毛.ほかの繊維よりも羊毛に似ている.細くて柔らかい断面円形のわた毛が重要で,直径約15 μm,長さ3~8 cm で,色調により紫カシミヤ,褐色カシミヤに分けられる.弾性にすぐれ,保温性が良好のため,シャツセータカーディガンなどに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカシミヤの言及

【カシミア織】より

…インドのカシミール地方でヤギの毛を紡いでつくられた最高級の毛織物。カシミヤともいう。カシミア・ショールの名で世界に名高く,もともと王侯貴族の衣料,ショールとして用いられていた。…

※「カシミヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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