育成関税(読み)いくせいかんぜい(その他表記)educational duties

日本大百科全書(ニッポニカ) 「育成関税」の意味・わかりやすい解説

育成関税
いくせいかんぜい
educational duties

現在は未発展であるが将来成長が期待される幼稚産業を保護・育成するために、外国製品の輸入を規制する保護関税一種。育成関税は一時的に関税によって外国との競争から保護するもので、経済的優位性をもった段階自由貿易に参加することを理念とするが、しばしば永続化する危険性もある。歴史的には、リストの主張に基づいて、19世紀なかば過ぎにイギリスに遅れて勃興(ぼっこう)したドイツ製造工業を保護・育成するためにとられた関税政策が有名である。

[秋山憲治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android