胸部圧迫症(読み)きょうぶあっぱくしょうきょうぶあつざしょう(その他表記)Thoracic Compression

家庭医学館 「胸部圧迫症」の解説

きょうぶあっぱくしょうきょうぶあつざしょう【胸部圧迫症(胸部圧挫症) Thoracic Compression】

[どんな病気か]
 重い荷物の下敷きになるなどで、胸を強く圧迫されると、全身を巡って心臓にもどってきた血液が、上大静脈(じょうだいじょうみゃく)から心臓に入りにくくなります。
 その結果、心臓(右心)→肺→心臓(左心)→全身へと流れる血液が少なくなり、全身が酸素不足におちいって窒息(ちっそく)の危険にさらされます。このことから、外傷性窒息(がいしょうせいちっそく)ともいいます。
[症状]
 心臓の手前の静脈に血液がうっ滞(たい)し、頭・顔・くびの皮膚や眼瞼結膜(がんけんけつまく)(白目(しろめ))にうっ血(けつ)、点状出血などがみられます。
 網膜(もうまく)のむくみや出血のための視力障害や、チアノーゼが現われ、意識障害がおこることもあります。
[治療]
 まず、胸を圧迫しているものを取り除き、意識障害があれば大声で名前を呼ぶなどして、意識の回復に努め、一刻も早く救急病院へ運びます。酸素吸入を行ないながら、けがに対する治療を行ないます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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