コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

窒息 ちっそくasphyxia

翻訳|asphyxia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

窒息
ちっそく
asphyxia

呼吸が阻害されること,あるいはこれによって起る状態をいう。息では体内に酸素が欠乏し,一酸化炭素がたまる。窒息状態に入った直後は無症状であるが,まもなく意識消失,呼吸困難,けいれん,失禁,次いで呼吸停止が起り,その後あえぎ呼吸 (末期呼吸) が始る。あえぎ呼吸停止までの時間は3~5分で,その後も心臓は5~20分動く。窒息死の代表的なものは縊死絞殺扼殺溺死などで,窒息死を起すと血液は暗赤色流動性で,皮膚,眼結膜,諸粘膜,漿膜などに溢血点,肺,肝臓,腎臓にうっ血などが現われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

ちっ‐そく【窒息】

[名](スル)息がつまること。呼吸ができなくなること。二酸化炭素酸素との交換ができなくなる状態。「酸欠窒息する」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

窒息【ちっそく】

呼吸が阻害されること,またはこれによって起こる状態。死亡する場合は窒息死といい,鼻と口の閉鎖異物などによる気道閉塞,絞縊(い)死,溺(でき)死,生き埋めなどの圧死薬物中毒による呼吸筋麻痺(まひ)や痙攣(けいれん),大気中の酸素欠乏などの際にみられる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ちっそく【窒息 asphyxia】

呼吸が障害されて生じる状態である。呼吸は,肺におけるガス交換である外呼吸と,組織における内呼吸に分けられるが,一般に窒息といえば外呼吸の障害による場合をいう。これには,手などによる鼻口閉塞や,縊頸(いけい)・絞頸・扼頸(やくけい)などの頸部圧迫による気道閉塞,水や血液などの液体および固形物の吸引による気道閉塞,砂・雪・重量物による胸腹部圧迫によって生じる呼吸運動障害,外傷や病気で生じた気胸・血胸などによる肺運動障害,呼吸空気の酸素欠乏などがある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ちっそく【窒息】

( 名 ) スル
呼吸ができなくなること。また、血液中の酸素が減少し二酸化炭素が過剰になる状態。気道の閉塞、呼吸筋の麻痺、呼吸中枢の障害、気胸、外気の酸素欠乏などが原因。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

窒息
ちっそく

生命の維持に必要な酸素が、なんらかの原因で生体に欠乏する状態をいい、この結果、死亡すると窒息死とよぶ。英語でasphyxiaと書き、その語源はギリシア語の欠性辞aと、動悸(どうき)を打つの意のsphyzoからなる。窒息は肺(外)呼吸の換気側障害、または組織(内)呼吸の血流側障害に起因するが、法医学的には、空気呼吸の機械的阻害(鼻口部や頸(けい)部、または胸郭の外部からの圧迫、異物嵌入(かんにゅう)や液体浸入による気道の閉塞(へいそく)・狭窄(きょうさく)など)に基づく換気不全(肺呼吸障害)をいう。いわゆる「首をつって、あるいは絞められて」といった、外部からの圧迫が頸部に加わった縊首(いしゅ)や絞首は社会的によく知られた窒息であり、とくに縊首は最近の自殺の過半数を占める。溺死(できし)、異物(餅(もち)、義歯、玩具(がんぐ)など)による気道閉塞・狭窄、冷蔵庫などの密閉器内閉じ込め、ビニル袋を用いたシンナー遊び中の急死も窒息であり、気管支肺炎や喘息(ぜんそく)の急激な悪化、あるいは気道周囲の腫瘍(しゅよう)による臨床的な呼吸不全も窒息に相当する。これらの窒息は、低酸素血症、高炭酸ガス血症を合併し、その相互作用で、初期には努力性呼吸(呼吸困難)、ついでけいれんを発現して、その後、仮死状態から不可逆性に呼吸が停止する。心臓は呼吸停止後も15分前後拍動する。死の転帰をとる動脈血酸素と炭酸ガス(二酸化炭素)分圧の危険値は約25と80(通常、健康成人では動脈血酸素分圧95前後、炭酸ガス分圧37前後)であり、この危険値前(仮死期前)ならば蘇生(そせい)が可能である。組織レベルでの窒息の応答には、臓器による特異性がみられ、脳は他臓器よりも酸素利用能の低下、嫌気的代謝過程への移行が速い。絞首や気道閉塞などの急性窒息(致死時間15分以内)では窒息の病態生理学的経過が顕著であるが、徐々に窒息に陥る慢性ないし遷延性窒息では、生体の順応で窒息の病態生理学的経過は緩行する。窒息死体では暗赤色流動性血液、内臓(とくに肺)のうっ血、粘・漿(しょう)膜下の微小出血点(溢血(いっけつ)点)をみる。[澤口彰子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

窒息の関連キーワード辺野古桑園ドラム式洗濯機に閉じ込められた事故乳幼児突然死症候群(SIDS)バンサン氏アンギーナ誤嚥(ごえん)クロロピクリン塩化カルボニルクロルピクリン泡沫流送消火低酸素脳症チョーカージホスゲン窒息性ガス神経ガス浅田 一有毒植物硫化水素液体酸素呼吸中枢気道確保石川哲郎

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

窒息の関連情報