脂こい(読み)ヤニコイ

デジタル大辞泉 「脂こい」の意味・読み・例文・類語

やに‐こ・い【脂こい】

[形][文]やにこ・し[ク]
やにの成分が多い。粘りけが多い。「―・い材質
しつこい。くどい。「―・い男」
か弱い。もろい。
「そないに―・い普請やない」〈上司太政官

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「脂こい」の意味・読み・例文・類語

やにっ‐こ・い【脂こい】

〘形口〙 (「やにこい(脂━)」の変化した語)
※雑俳・柳多留‐一三四(1834)「やにっこい煙管は売らぬ住吉屋
滑稽本・古朽木(1780)一「煙管屋の亭主無心いへば、雁首をふって脂(ヤニ)ッこい挨拶」
※雑俳・柳多留‐七七(1823)「やにっこい雛にはけちな煙草盆
やにっこ‐さ
〘名〙

やに‐こ・い【脂こい】

〘形口〙 やにこ・し 〘形ク〙 (「こい」は接尾語)
① やにが多い。粘りけが多い。やにっこい。
※俳諧・落穂集(1663)三「やにこきをねせて置ぬるたはこ哉〈詞顕〉」
② あっさりしない。しつこい。くどい。やにっこい。
狂歌吾吟我集(1649)六「住吉のきしませぶりにねばふしてやにこき人はまつに気のとく」
③ かよわい。もろい。こわれやすい。やにっこい。
※忠臣蔵穴さがし(1830‐44頃)五「鴨居は上がり敷居は下がり、〈略〉甚だやにこい家づくり也」
やにこ‐が・る
(自ラ四)/

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