精選版 日本国語大辞典 「脇楫」の意味・読み・例文・類語
わい‐かじ‥かぢ【脇楫・脇舵】
- 〘 名詞 〙 ( 「わきかじ」の変化した語 )
- ① 舵を損じたときに入れる代用の舵。また、横風の強いとき、横流れ防止のために舷側に入れる和船の補助の舵。
- [初出の実例]「大風の時梶痛と見は脇梶を入べし」(出典:全流舟軍之巻(1646)廻船功者之巻)
- ② 舷側に立てる櫓、つまり脇櫓の別称。
- [初出の実例]「ともへに櫓をたてちがへ、わいかぢをいれて、どなたへもやすう押すやうにし候ばや」(出典:平家物語(13C前)一一)
- ③ 中国の川船で、横流れ防止用として舷側に設ける引上げ式の板。江戸時代、長崎に来航した南京船に装備してあったものがその典型。偏舵。
- [初出の実例]「南京船艗の方より斜に見たる図〈略〉脇楫(ワイカヂ)とて両方に付たる板あり。軸ありて上下する如くにしたるものなり」(出典:増補華夷通商考(日本経済大典所収)(1708)二)