脱税(読み)だつぜい(英語表記)tax evasion

精選版 日本国語大辞典 「脱税」の意味・読み・例文・類語

だつ‐ぜい【脱税】

〘名〙 納税義務者が、不正をしてその一部または全部納税を怠ること。
営業税法(明治二九年)(1896)三四条「脱税したる者は脱税金額三倍の罰金

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デジタル大辞泉 「脱税」の意味・読み・例文・類語

だつ‐ぜい【脱税】

[名](スル)納税義務者が故意税額の一部または全部の申告をせず、納付を免れること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「脱税」の解説

脱税

違法な手段によって、納税を免れる行為を脱税という。すなわち、租税の納付は法によって定められた義務であるが、これから逃れるために課税の対象となるべき所得収益などの一部または全部を故意に隠匿して、国および地方公共団体の徴税を妨げることである。
何らかの手段で意図的に納税額を削減するものとしては、脱税以外に「節税」と呼ばれるものと「租税回避」がある。また、無知錯誤に基づき、意図的でないものは脱税ではなく「申告漏れ」という。
税制度は複雑であり、税務慣行によるものや基準が明確には確定できないものもある。他方で、課税対象である法人の利益なども減価償却方法その他の会計方法の違いにより、一つには定まらない。したがって、税務知識を活用し、これらを適切に処理することで納税額を適法に圧縮することができる。このようにして税負担を軽減することを「節税」という。節税は法令によって認められる条件下での税の減免であるから、当然に適法であり、脱税とは異なる。
これに対して、社会通念を逸脱した取引方法をとったり課税要件をゆがめたりして、結果として課税を逃れる行為を「租税回避」という。課税要件を隠匿はせず、要件として成り立たなくすることで賦課を免れるのであるから、脱税とは異なり形式的には法に反してはいない。ただし、租税の公平性を阻害するとして収税機関によって否認され、通常の税を賦課されることも多く、脱法行為にあたるものと考えられる。
これらを駆使することを「節税対策」と称して、経営者から不当な報酬をだまし取る自称「節税コンサルタント」もあとを絶たず、脱税行為としてしばしば立件・処罰されている。

(金谷俊秀 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内の脱税の言及

【租税回避】より

…納税者の租税負担を減少させようとする行為は,〈脱税tax evasion,Steuerhinterziehung〉〈節税tax saving,Steuerersparung〉および〈租税回避tax avoidance,Steuerumgehung〉の三つに大別される。脱税とは,課税要件の充足という事実の全部または一部を秘匿することにより違法に租税を免れ(またはその還付を受け)る等の行為であり(脱税犯),また,節税とは,租税法規が本来予定している行為形式を用いて租税負担の適法な減少を図る行為(例えば,長期譲渡所得の課税の特例の適用を受ける等)である。…

※「脱税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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