腸溶剤(読み)チョウヨウザイ

デジタル大辞泉 「腸溶剤」の意味・読み・例文・類語

ちょうよう‐ざい〔チヤウヨウ‐〕【腸溶剤】

胃ではなく小腸に入ってから溶解するように作られた製剤腸液で溶ける皮膜で覆ったりカプセルに入れたりする。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腸溶剤」の意味・わかりやすい解説

腸溶剤
ちょうようざい

胃を通過して腸に入ってから溶解し,中の薬物を放出する薬剤胃酸で分解しやすかったり,胃を荒らしやすい薬物の場合,胃で薬物を放出する通常の経口剤では,(1) 目的の薬理作用が得られない,(2) 強い副作用が生じる,などの不都合が生じる。これを防ぐため,または腸に高濃度で薬物を到達させるために開発された剤型。胃内では強酸性の環境が,十二指腸に入ると胆汁が分泌されアルカリ側に傾く。腸溶剤の原理は,この水素イオン濃度の差を利用したもの。酸性の環境では安定で,アルカリ性の環境で溶解する皮膜で薬物を覆っている。

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