腹水腫瘍(読み)ふくすいしゅよう(その他表記)ascites tumor

精選版 日本国語大辞典 「腹水腫瘍」の意味・読み・例文・類語

ふくすい‐しゅよう‥シュヤウ【腹水腫瘍】

  1. 〘 名詞 〙 実験動物の腹膜腔中に移殖し、腹水中で累代移殖可能な悪性腫瘍。エールリヒ癌、吉田肉腫などがあり、悪性腫瘍の治療実験に欠くことのできないものとなっている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腹水腫瘍」の意味・わかりやすい解説

腹水腫瘍
ふくすいしゅよう
ascites tumor

腹水 (腹腔内にたまった体液) の中に腫瘍細胞が1個ずつばらばら,または数個ずつ島状に集って浮いているという,特別の性格の腫瘍。吉田富三が 1943年にシロネズミにつくった吉田肉腫はその代表例。その腹水をピペットで吸取って,累代移植ができる。また余分の結合組織がないから,純粋の腫瘍細胞として,染色体構成や生化学的研究ができ,制癌剤のスクリーニングテストの材料にすることができる。

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