臍をかむ
もう終わったことについて後悔することのたとえ。
[使用例] 「さてはさっきからの様子を、残らず聞いていやがッたな」と、おのれの油断に臍を嚙みつつ、十手に必死をこめた万吉[吉川英治*鳴門秘帖|1926]
[由来] 「[春秋左氏伝]―荘公六年」に出て来る話から。紀元前六八八年、春秋時代の中国でのこと。楚という大国の軍隊が、戦争に行く途中で、鄧という小国を通りました。鄧の君主は、楚の王を手厚くもてなしましたが、家臣たちは、このチャンスに楚の王を殺してしまおう、と提案します。なぜなら、楚はいずれ鄧にも戦争をしかけて、滅ぼしてしまうだろうと考えたから。「今のうちに対処しておかないと、『後に君、斉を噬まん(後になれば、へそをかもうとしても届かないように、殿様がご自分ではどうにもできないことになりますよ)』」と言いましたが、君主は聞き入れませんでした。結局、家臣たちの言ったとおり、鄧は後に楚に滅ぼされてしまったということです。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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