必死(読み)ヒッシ

デジタル大辞泉 「必死」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐し【必死】

[名・形動]
必ず死ぬこと。
死ぬ覚悟全力を尽くすこと。また、そのさま。死にものぐるい。「必死形相」「必死に逃げる」
(「必至」とも書く)将棋で、次に必ず王将が詰む、受ける方法がない状態。また、その差し手。「必死をかける」
[類語]命懸け死に物狂い捨て身懸命大わらわ躍起決死不惜身命ふしゃくしんみょう大車輪八面六臂一所懸命一生懸命全力総力死力渾身入魂全身全霊無理遣り無理強いて敢えて努めてできるだけ極力なるたけなるべく可及的必ずきっと絶対是非何としてもどうしても何がなんでも是が非でも押してたってどうぞどうかくれぐれも願わくはなにとぞなんとかまげてひとつ誓っててっきり違いないはず決まってすなわち否が応でも否でも応でもいやでもいやとも是非とも無理算段無理無体無理押し無理強制的強引強気強行独断独断的理不尽強硬頑強問答無用強要力尽く力任せ腕尽くごり押し断固一刀両断横柄威圧的否応無し頑として横紙破り横紙を破る有無を言わせず腕力に訴える横車を押す押し付けがましいねじ伏せる首に縄を付ける遠慮会釈もない遠慮高圧的高飛車頭ごなし押し通す押し付ける一方的豪腕

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精選版 日本国語大辞典 「必死」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐し【必死】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 必ず死ぬこと。生きる見込みのないこと。また、そういう情況や場面。
    1. [初出の実例]「正成必死の鏃に死を遁れ」(出典:太平記(14C後)三)
    2. 「必死(ヒッシ)の症なれば」(出典:談義本・根無草(1763‐69)後)
  3. ( 形動 ) 死を覚悟して全力を尽くすこと。また、そのさま。死にもの狂い。決死。
    1. [初出の実例]「六女(むたり)が必死(ヒッシ)を極めなば怕るるにしも足らねども」(出典:人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)三)
    2. 「必死(ヒッシ)に尽力して制すれども」(出典:内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一四)
    3. [その他の文献]〔漢書‐朱博伝〕
  4. 将棋で、受けの手がなく、詰みとなってしまう状態。また、そのさし手。必至。
    1. [初出の実例]「何なと言わんか・ひっ死をかけた店将棊」(出典:雑俳・後の栞(1816))

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普及版 字通 「必死」の読み・字形・画数・意味

【必死】ひつし

死を覚悟する。〔史記、項羽紀〕項乃ち悉(ことごと)く兵を引きて河を渡る。皆、を沈め、釜(ふそう)を破り、廬舍を燒き、三日の糧を持ち、以て士卒に死を必して、一のる心無きを示す。

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