自動選別機(読み)じどうせんべつき(英語表記)automatic selector

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自動選別機」の意味・わかりやすい解説

自動選別機
じどうせんべつき
automatic selector

(1) 工業的大量生産品の場合,要求される寸法,形状,重量その他機械的・物理的性質の達成度を自動的に鑑別し,合否分別または等級類別をする装置。主機構検測選別である。簡単な例はベアリングボールで,前後にわずかに幅に差のある傾斜溝中を転がし (検測) ,落下の位置により径差を鑑別する (選別) 。しかしこれに真球度まで要求されると工程は複雑になる。要求量と実測量の差は,多くの場合機械的または電気的に拡大されて迅速に読取られ,同時に類別または不合格品の除外が自動的に行われる。そのため各種の高精度測微計,自動てんびん,一定間隙を製品を通し間隙片との接触の有無を検定する光学装置や電気装置など,検測・選別装置は多様で,要求が多岐で高精度であるほど検測の機構も精密複雑になる。精密機械製品の増加とともに,自動選別の重要性が増している。 (2) 農場,選果場,食品工場でも,生産品の寸法,形状,重量などで自動選別が行われる。要求精度は比較的粗だから,ベルトコンベヤ上一定高さの仕切り,一定寸法の穴あき板や桟などによるふるい分け,簡単な光線透視検査と連動する自動選別などが用いられる。他の多くの産業でも,大量生産になると多かれ少なかれ自動選別の機構が取入れられている。

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