てんびん(英語表記)balance

翻訳|balance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「てんびん」の意味・わかりやすい解説

てんびん
balance

秤の1種。中央支点をもつ両腕の長さが等しい竿の両端に,等しい質量の皿をつるし,2つの皿の一方に被測定物体,他方に質量既知の分銅を載せ,両者に働く重力が釣合って竿が水平になったとき,分銅の質量の総和をもって物体の質量とする。この型のてんびんを度表型てんびんという。支点にはルビーやめのうでつくられた鋭い刃を用いて摩擦を小さくしてあるので,竿は長い周期で振動してなかなか静止しない。したがって振動の左右のふれを目盛りで読んでその平均を取って静止点とし,最小分銅1個を加えるか減らすかしたときの静止点の移動から比例配分によって最小分銅の質量の端数まで求められる。また,てんびんの両腕の長さは厳密には等しくないので,物体および分銅を載せる皿がどちらであるかによって誤差を生じるおそれがある。精密な測定では物体と分銅を入替えて2回測定し,その平均を質量として定める交換秤量法が用いられる。てんびんは歴史的に最も古い秤であって,原理的に最も簡単で精度がよい。精密秤量用の微量てんびん化学てんびんは空気の動揺や温度の不均一を防ぐためにガラス箱に入れてある。これらは秤量範囲 0.5~50gで精度 10-4 程度の測定ができる。さらに精密な真空てんびんは箱の中を真空にして測定し,精度 10-6 程度をもつ。これらは微量化学分析,物理用の計量,貴金属類や薬品類の高精度の秤量に用いられる。直示てんびんは被測定物体の質量を表示装置で直読できるようにしたてんびんであって,度表型てんびんに比べて感度は悪い。しかし精度はほぼ同じで,測定能率がよくて操作が簡単で熟練を要しない。さらに,操作を自動化したものに自動てんびんがある。上皿てんびんは皿を竿の両端の上に載せて測定操作を容易にしたてんびんであるが,一般に精度はかなり悪くて 10-2~10-3 程度である。

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百科事典マイペディア 「てんびん」の意味・わかりやすい解説

てんびん(天秤)【てんびん】

質量の精密測定用のはかり。普通1本の腕の両端に皿をつるし,腕の中央を刃でささえてある。はかろうとする物体を一方の皿に,重量のわかっている分銅を他の一方の皿にのせてつりあわせて重量を測定する。上皿てんびん化学てんびん熱てんびん微量てんびんなど。なお最近では,つりあわせ読み取りを電気的に行う電子(電気)てんびんも使用されている。→はかり
→関連項目トーションバランス

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化学辞典 第2版 「てんびん」の解説

てんびん
テンビン
balance

支点が中央にある,てこを利用した重さを測るはかり.両腕の長さの等しい等比ばかりを原則とするが,物質の質量と分銅の質量を比較して,重さを測る装置をさすようになった.現在では,分銅を使わず,コイルのつくる電磁力を利用する電磁式や,ひずみによる電気抵抗の変化を利用するロードセル式などの電子てんびんが普及している.読みとり限度を基準とするミクロ(1 μg),セミミクロ(10 μg),化学てんびんなどの分類や,物質をのせる皿の位置による上ざらてんびん,つり下げ型てんびん,および使用する用途による試金てんびん,カラットてんびんなどのよび方がある.

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デジタル大辞泉プラス 「てんびん」の解説

テンビン

2000年に台風委員会により制定された台風の国際名のひとつ。台風番号、第5号。日本による命名。星座の「てんびん座」から。

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