化学辞典 第2版 「臭化鉄」の解説
臭化鉄
シュウカテツ
iron bromide
【Ⅰ】臭化鉄(Ⅱ):FeBr2(215.66).二臭化鉄ともいう.鉄粉を臭化アンモニウムと加熱すると得られる.黄~緑色りん片状晶.密度4.64 g cm-3.融点684 ℃.潮解性で,湿った空気中ではただちに酸化されるが,乾燥空気中では安定である.水に易溶.六水和物は淡緑色の板状晶.非潮解性で,光により分解する.[CAS 7789-46-0:FeBr2][CAS 20049-65-4:FeBr2・4H2O][CAS 13463-12-2:FeBr2・6H2O]【Ⅱ】臭化鉄(Ⅲ):FeBr3(295.56).三臭化鉄ともいう.鉄を臭素と170~200 ℃ に加熱すると得られる.暗赤色の結晶.いちじるしく潮解性で,加熱すると一部は昇華し,一部は臭素を放って臭化鉄(Ⅱ)になる.水,エタノールに可溶.六水和物は暗緑色の針状晶.医薬品,分析化学試薬,有機化合物の臭素化触媒として用いられる.[CAS 10031-26-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報