臭化カリウム(読み)しゅうかかりうむ(英語表記)potassium bromide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「臭化カリウム」の意味・わかりやすい解説

臭化カリウム
しゅうかかりうむ
potassium bromide

カリウム臭素化合物。俗にブロムカリというが正しくない。天然の鉱物中にもみいだされるが、工業的には臭素を水酸化カリウム水溶液と反応させて製造する。

  3Br2+6KOH
   ―→5KBr+KBrO3+3H2O
副生する臭素酸カリウム分離には、冷却して結晶化する方法がとられるが、一部母液に残留するものは、二酸化硫黄(いおう)で還元して臭化カリウムに変えられる。このほか、臭化水素と水酸化カリウムを混合、反応させる方法も用いられる。白色結晶性の固体。水によく溶け、アルコールにも溶ける。単結晶は可視部から波長25マイクロメートルまでの赤外線に対して透明なので、赤外線分光測定用のプリズム錠剤媒質として多用される。また、写真用臭化銀の製造原料、現像液、化学用試薬、神経鎮静剤に使用される。

[鳥居泰男]


臭化カリウム(データノート)
しゅうかかりうむでーたのーと

臭化カリウム
KBr
式量119.0
融点730℃
沸点1435℃
比重2.75(測定温度25℃)
結晶系立方
屈折率(n) 1.5594
溶解度53.5g/100g(水0℃)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臭化カリウム」の意味・わかりやすい解説

臭化カリウム
しゅうかカリウム
potassium bromide

化学式 KBr。無色結晶。融点 730℃,沸点 1393℃,比重 2.75。水,アルコール,グリセリン可溶印画紙乾板の製造などのほか,鎮静剤,抗てんかん剤として医用に供される。

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