臼井阿原村(読み)うすいあわらむら

日本歴史地名大系 「臼井阿原村」の解説

臼井阿原村
うすいあわらむら

[現在地名]田富町臼井阿原

釜無川左岸に位置し、東は布施ふせ村、南は西花輪にしはなわ村、西は南流する釜無川を挟んで藤田とうだ(現若草町)、北は山神やまのかみ村。薄井とも書く。西の堤の外を南流してきた常永じようえい川が釜無川に合流する。駿州往還が通り、釜無川の渡船場があった。「甲斐国志」は当村名主察右衛門の祖先小池監物丞を当地居住とするが、同人が与えられた天正一〇年(一五八二)一二月五日の徳川家康印判状(亦内家文書)の所領のなかには当地はみえない。ただ西花輪にしはなわの八幡神社は弘治二年(一五五六)から永禄五年(一五六二)まで、臼井阿原村の小池四郎右衛門と神田争いをしたという(社記)。また「甲斐国志」は当村の慶長検地帳にみえる修理屋敷は饗場修理亮の屋敷をさすとし、祖父弥三郎長利は越前守を称したという説をあげる。この人物が永禄一〇年紀州高野山位牌を納められた饗場越前守(武田家日坏帳)と同一とすれば、在所名として注記されている「アワラ」は臼井阿原のことである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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