国指定史跡ガイド 「興福寺旧境内」の解説
こうふくじきゅうけいだい【興福寺旧境内】
奈良県奈良市登大路町にある寺院。法相宗(ほっそうしゅう)の大本山で、本尊は釈迦如来(中金堂)で、南都七大寺の一つ。藤原氏の氏寺として創建された奈良時代の代表的寺院として1967年(昭和42)に国の史跡に指定された。面積は約12万m2。発掘は1955年(昭和30)に食堂跡、1972年(昭和47)に講堂跡、1975年(昭和50)からは北円堂院・南大門など、1985年(昭和60)からは東院で実施された。旧境内の範囲には変遷があり、拡張されて左京三条七坊の全域と四条七坊の北端4町の地域を占めていたが、旧境内七坊の地は平城京の一坊の地域をほとんどそのまま示すものとして意義があり、北限二条大路にあたる油留木(ゆるぎ)町に面するところなどはよく旧境内の面影をとどめるなど、史跡としての価値が高いと考えられている。1998年(平成10)には「古都奈良の文化財」として、世界遺産に登録された。資料館として細殿・食堂跡に興福寺国宝館がある。近畿日本鉄道奈良線近鉄奈良駅から徒歩約5分。