改訂新版 世界大百科事典 「舞台協会」の意味・わかりやすい解説
舞台協会 (ぶたいきょうかい)
1899年ロンドンに創立され,イギリスの近代劇運動を担った〈ステージ・ソサエティStage Society〉の訳語を冠した日本の大正期の新劇団。1913年(大正2)文芸協会解散直後,同劇団の若手(加藤精一,佐々木積,山田隆弥(たかや),吉田幸三郎ら)が設立し,G.B.ショーの《悪魔の弟子》ほかで同年11月28日に帝国劇場で第1回公演をもった。夏目漱石門下の評論家・ドイツ文学者小宮豊隆(1884-1966)が文芸面を担当していた。しかしのち経済的困難に陥り,離散状態となった。曲折を経て21年,山田隆弥らが中心となり岡田嘉子らも参加して有島武郎作《死とその前後》上演で再興,ついで倉田百三作《出家とその弟子》を上演したが,26年4月の小公演を最後に解散した。
執筆者:石沢 秀二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報