ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「舞台機構」の意味・わかりやすい解説 舞台機構ぶたいきこうstage machinery 舞台において超自然的現象を表現したり,場面の急速な転換をはかったり,音響や照明の効果を高めたりするための機構上の考案。ギリシア劇には,神の出現に用いられたデウス・エクス・マキナやペリアクトイ,中世宗教劇には,天井から籠をつるした天使の座などがあった。ルネサンス期にはさらにいろいろな工夫が考案され,17~18世紀には滑車,クレーン,スプリングなどの機械力の応用による大規模なスペクタクルも可能になったが,19世紀以後の舞台では,演劇の写実主義指向とともに,これらのメカニズムも主として写実的幻想をつくりだすために使用されるようになった。現在の舞台機構の大きなものとしては,装置を天井に飛ばすフライ,横に移動させるレール,スライディング・ステージなどがある。日本では,人形浄瑠璃のさまざまなからくり仕掛けや歌舞伎の回り舞台,すっぽん,せり,宙乗りなどがある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by